落葉掻き
甘からぬ思ひ出どつと落葉掻き 括弧
一人でやる作業が嫌いではない。気を使
いながら人と協調するよりはマイペースがよいのである。料理や屋内の清掃、また場合によれば洗濯などの場合、常に次の手順を考えており、したがって作業そのものに打ち込んだ状態になるから、それはそれで完結した満足感が得られるのである。一方落葉掻きや草取り、場合によっては雪掻きなど、ひとたび手順を決めてしまえば単純な動作だけで長時間をすごせるような仕事をしている場合、脳内は時ならぬ白昼夢に占められてしまうのである。そういう時浮かぶのは必ずしも嫌な思い出ばかりではないが、私の場合、子供時代に某教師から受けた理不尽な待遇のことを思い出し、思わず全身が怒りに満たされてしまうことがよくあった。さらにその教師が若くしてさっさと死んでしまったことも思い出して、気持ちが和らぐどころか、復讐する機会を永遠に閉じられてしまったことに対する慙愧の念がふつふつとわいてくるのであった。こうして見ると、落葉掻きに没頭している時間というもの、あまり健全なそれではないのかもしれない。
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