黒猫
黒猫の絹の光沢冬ざるる 括弧
冬ざれの真っ只中に
猫が昼寝していたり、日向ぼっこしていたりという光景は普通のことであって、私の句にもしばしば登場したところである。黒猫が特に艶よく見えるのは光っていることが識別しやすいからだ。そのように耀きながら枯れ草の中あたりで立ち止まってじっとこちらを見ていたりする光景には、ちょっとした迫力があるだろう。ポーの『黒猫』など思い浮かべるまでもなく、黒い猫は一種の魔性を感じさせる霊的な存在であると時々感じる。何度も書いた八丁湖周辺に無数に棲んでいた野良たちは、今やすっかり数も野生も減じてしまい、人を見ても逃げない。栄養状態も悪そうだ。かつては実に生き生きしたコロニーを形成していたもので、とても野良とは思えないのもいたと記憶している。冬の日を浴びて小気味よく
光っていたなあと、懐かしく思い出すばかりだ。
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