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2009年7月 2日 (木)

蛇苺

  転びかけ気づく静かさ蛇苺  括弧

「静かさ」と、言ってしまってはおしまいよ!と受け止められかPhotoねない。そんな句である。実際、形容詞や副詞に類する語や抽象的な意味の名詞を使って、1句中に中身を効率的にたくさん盛り込もうとする試みは失敗することが多い。中学校の作文で教わったように、「美しい」という形容詞を使わないでその美しさをどのように表すかが勝負なのである。具体的なモノが喚起するイメージというものが、あらゆる形式の詩や、場合によれば散文においてさえも最も大切な要素なのだといわれる。そこをあえて「静かさ」と言って見ちゃったことになる。芭蕉の蛙の句の向こうを張ったわけではないが・・・。「この場合はいいでしょう」という気持ちがどこかにある。

自解はそこまで。「蛇苺」は、春には「蛇苺の花」として用い、夏には単に「蛇苺」としてその実がイメージされることになる。「蛇苺の花」だが、この花がとても美しい。それに比べれば、実の方は花よりも数が少なく、より地味な存在だが 、それだけに見つけた時には嬉しさが募る、「蛇」というネーミングに負けて、誰も「不気味なもの」という先入観を持たされているが、決して有毒ではない。味はほとんどないと覚えてきたが、「薄い甘酸っぱさがある」と主張する人もいるので、先日実際に口にしてみた。どちらとも言えるが、「味がない」という方が真実に近いと、強情にも自説を再確認した。ぜひ試してみていただきたい。

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